2019年度 地域医療研修の感想
研修期間:2019.08

  私は、京都桂病院で2年目研修医として勤務しております。今回、地域医療を学ぶために京都丹後中央病院の消化器内科でM田暁彦先生のご指導のもと研修させて頂きました。

 丹後中央病院での研修において最も印象に残っていることは、一人ひとりの患者さんに対して、今困っている症状だけでなく、家族や生活といった普段のご様子を把握している医療従事者がとても多いことです。もちろん病院の周辺に住む医療従事者も多く、必然的に知り合いであったりする場合もあるかとは思いますが、初めての入院であっても、病棟の看護師さんが生活の状況、家族はどこに住んでいるか等細かく聴取し、必要な時には紙を見ずに空で言えるほどに把握されていて驚きました。私の勤務する病院でも同様のことがありますが、治療を行う上で、一部の治療は大学病院などのいわゆる大きな病院で、となることがあります。その時に、丹後中央病院の医療圏内に住む患者さんの場合には、例えば京都市内の病院で入院する場合、自宅から少し離れたところで入院生活を送る必要がありますが、そういった時に看護師さんが中心となって病状のことだけでなく、離れ離れになる家族や家の事などの心配・不安に対しても、寄り添い、他の医療従事者・介護従事者と連携して、細かいケアをされていて素晴らしいと思いました。

 消化器内科の研修では、主に上部・下部消化管内視鏡の検査・治療の見学と、外来診察の陪席をさせて頂きました。1年目にも桂病院消化器内科で学び、その際には主に入院患者さんの検査・治療などの病棟業務を中心に研修致しましたので、今回のように何件もの内視鏡検査・治療を見学させて頂くのは初めてでした。M田先生は、患者さんにとって苦痛が少ないことを大事にされており、また苦痛が少ないことで体動やえづきなどを減らす事ができ、漏れなく正確に消化管を観察することにつながると教えてくださいました。
 実際に、プロポフォールでの鎮静下に内視鏡検査を受けることを希望されて、遠方から来られている患者さんも研修中にお見掛けしました。内視鏡検査は基礎疾患のない若年の患者さんであれば、1回で一旦終診となることもありますが、半数以上の患者さんが数年ごとにフォローのため受けられていることが多く、より侵襲の低い検査であれば、検査を受ける側の抵抗感も少しは下がり、再診率が上がるのではないかと感じました。

 消化器内科のM田暁彦先生、後期研修医の柏原先生には、ご多忙の中勉強会の時間を作って頂き、様々な疾患・治療に関して講義をして頂きました。また、往診見学の希望も叶えて頂き、京丹後市国民健康保険直営大宮診療所の飯田泰成院長先生にもご指導を賜りました。
 2週間という短い期間ではありましたが、丹後中央病院の皆さまには大変お世話になりました。私の人生において大変貴重な経験をさせて頂きました。本当に有難うございました。