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事例検討会・研修会

平成29年11月17日(金)に行った『ポジショニング』に対する質問を、
講師の小川雄 氏、那須彩乃 氏に回答していただきましたので、ひとつの意見として、ご参考にしてください。

Q. クッションの選定
クッションの適正について
円背がひどく小さくまるまってる患者様のポジショニング
A. クッションの選定について 形、柔らかさ、洗濯の可否などさまざまなものがあります。何の目的で使用するのか、どこの部位に使用するのかで適している形や大きさがあります。例えば、三角枕では体位変換しにくい円背や痩せのある利用者様には、頭から足まで1つでカバーできるスネーク型のものを使用したり、膝の強い関節拘縮には膝だけでなく足全体をカバーできる大きさのものを使ったり、利用者様が安楽そうにできるものを使用してみてください。

Q. ご利用者様のかかとに床ずれができていた
A. 目立った拘縮がなくても踵にかかる圧は高くなってきます。さらに、体位変換をしても踵は常にベッドマットレスに接している部分になるので、薄く柔らかめのクッションなどで少し踵が浮くような工夫をしてみたりしてはどうでしょうか。褥瘡が出来てしまうと圧迫は避けなければいけません。足の下全体にクッションをいれ、踵の除圧が出来るように工夫してみてください。また、治癒しても褥瘡が出来た部位は再発のリスクが高くなっています。治ったからポジショニングしなくて良い、ではなく常にリスクがあると思ってポジショニングは継続することが褥瘡予防になってきます。

Q. ずっと顎が上がり舌の奥の方へ下がってる方の安楽な呼吸について困っている。SPO2 90代キープ
頭の後屈
A. 舌根沈下がある場合には、ベッドがフラットな状態や仰臥位は舌根沈下を助長してしまい怖いです。顎が上がり続ける原因が首の筋肉の緊張の高さや円背など体の状態によっても変わりますが、普通の枕ではなくブーメラン型のクッションで肩周囲を全体的にカバーし、さらに枕やタオルなどで頭の高さを調整してみてはどうでしょう。少しベッドを頭部挙上したり側臥位で呼吸が楽になる場合もあります。

Q. どうすれば統一したポジショニングができるのだろうかな?
職員・施設がポジショニングを知らずその場しのぎになっていると思う
職員によってバラバラなので何が一番ご利用者様に良い方法なのかわからない
拘縮のきつい人のポジショニングを統一できない
他職種との情報共有の良い手段は何が良いか?
体位変換殿ポジショニングが統一できない
A. (すでに取り組んでおられるかもしれませんが…)写真やポジショニングの注意点を見て分かるようにベッドの近くに貼り出しておくと分かりやすいです。また、ポジショニングの注意点の共通項目として「身体と足が捻れないように」や「身体の圧が高いところや浮いているところはないか」など観察ポイントを周知することで、ポジショニングの行いやすさも変わってくるかもしれません。

Q. 尖足
A. 足が伸びた状態だと尖足になりやすくなります。膝と足首の関節をまたいでいるふくらはぎの腓腹筋という筋肉が不動により縮んでしまうと尖足が助長されてしまいます。膝を少し曲げたポジショニングをし、足底をクッションやタオル等で接地させてみてください。また、講義の中でもあったように布団の重みなどで尖足が助長されることもあるので、ティッシュの箱やその他高さのあるもので布団の重みを解消する方法もあります。

Q. 車いすでの座位保持が困難な方へのポジショニング方法
車いすの利用者の方の良い姿勢
A. 車椅子での座位保持が困難な場合には、車椅子と利用者様の身体が合っているかをまず確認してみましょう。座面の幅やアームレスト、フットレストの高さなどが合っておらず姿勢が崩れることが多くあります。また、長年使用している車椅子だと座面や背面のたわみなどで身体が傾くこともあります。ポジショニングの考え方と同じように車椅子でも、身体に合わせることが大事になってくるので、幅が大きい場合には両端に丸めたタオルで補ったり、仙骨部の隙間にタオルを入れるなどすることで滑り座りを軽減させてみてください。背面や座面をマジックベルトなどで調節できるものもあるので、調節するだけで座位の状態が変わったりしますので、その状態で観察してみても良いかと思います。

Q. 送迎者なんかで円背の人など座席をどう合わせていくかいつも悩んでいます
A. 送迎車での座席の合わせ方も車椅子と同じように考えてみてください。円背が強くあると車の座席でも不安定になります。座った状態で仙骨部など空間が空いているところにタオルや柔らかいクッション(自由自在に形が変わるビーズクッションなど)を予め置いてあげることで楽に座れるようになるかもしれません。

Q. 小多機なのですが、身体的に重度な利用者がいらっしゃらないので実践できない
A. 私たちが側臥位で抱き枕が楽、椅子に座っているときに肘掛けが合ったほうが楽なのと同じように、重度な利用者様がいなくてもより楽に過ごしてもらえる工夫をしてみてはどうでしょう。

Q. 円背が強く臥位にはなれない。隙間を埋める→ずっと曲がっている→動けない。など悩む→円背を助長しているのかと悩む
A. 隙間を埋めた後5分程度したら、一回身体の状態(呼吸や筋緊張)を確認してみましょう。隙間を埋めることで身体がリラックスし筋緊張が低下してきたら、そこから少し身体を伸ばしてみる方向に動かしてみてポジショニングをしてみましょう。1回のポジショニングで上手くいかないときには数回に分けて身体を動かすことで筋緊張が抜ける場合もあります。

Q. 仙骨部の剥離がある。ひどくならないようにする方法
A. 仙骨部の剥離の原因が圧迫によるものならば、側臥位を中心にポジショニングを行い除圧してあげましょう。また、オムツの方であれば湿潤やパットの折れ曲がりや交換方法なども剥離、褥瘡の原因になりますので、保清や保湿などにも努めてみてください。

Q. 寝たきりの方で棒のように足がなってて足が交差しないようにするにはどうしたらいいか困っています
A. 足が交差してしまうのは太ももの内側の筋肉が緊張している状態です。まずは足を伸ばす筋肉の筋緊張を落とすポジショニングをしてみてください。クッションに足を乗せて少し待ってみます。足の緊張が落ちてくると交差した足も戻しやすくなるかもしれません。

Q. 患者さんによって、ポジショニングが様々です。病気によってこの姿勢で良いか把握するのが難しい
A. 患者様によってポジショニングがさまざまなのは普通のことです。病気は人それぞれですし、身体の大きさや拘縮の出方もそれぞれに違うので、その人に合った方法で行うことが大切です。

Q. 安楽な姿勢の保持の仕方
円背で、直ぐに丸くなって寝てしまう。仙骨に剥離があってストマーで・・・何が安楽な姿勢かわからない
A. 安楽な姿勢は人それぞれです。安楽かどうかを見るポイントは講義に中でもあったように、呼吸や筋緊張などの全身状態を観察することで分かってきます。その姿勢を保持するためにはやはりポジショニングが必要になります。ポジショニングクッションやタオルなどを使用し身体を保持してみてください。円背で姿勢が保持しにくい方は背中と頭全体をカバーできるブーメラン型のクッションを使用し、高さが足りなければ枕やタオル等で補ってあげましょう。腕や足の重みを取ってあげるようにそれぞれの下にもクッションなどを入れ、無理なく身体が伸ばせるような身体の位置を作ってあげてみてください。

Q. クッションをどのように入れたらよいのかもっと教えて欲しい(写真で)
A. クッションの選び方や入れ方はさまざまですが、基本的にはポジショニングしたい部位全体をカバーできる大きさ・形のものが適しています。例えば、足の屈曲拘縮がある方への足のポジショニングでは、拘縮の目立つ膝の下のみにクッションを入れるのではなく、股関節から足関節までカバーできるように大きめのクッションを、股関節の少し上(お尻側)から入れるというように全体的にカバーできるものを選んでみてください。(写真は難しいです。すみません。)
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