公益財団法人丹後中央病院

Respiratory medicine

呼吸器内科のご案内

呼吸器内科では、呼吸器疾患並びにアレルギー疾患全般の診療を専門とし、専門医が診断・治療を担当しています。

「レントゲンの異常を指摘された」「かぜでもないのに咳や痰が長引く」「息切れが最近強くなってきた」などお気軽にご相談ください。

Topic

「ながびく咳」と、その診断・検査・治療について

かぜは治ったはずなのに、咳はちっとも治まらない、といったような状態が数週間続いたら、それは咳喘息かも知れません。
とくに、夜中から明け方にかけて、咳で目が覚める、という、夜間症状がある場合は可能性が高くなります。
咳喘息は、簡単に言うと、ゼイゼイ言わない(喘鳴のない)喘息のことで、原因や治療法は通常の喘息と同じですが、咳喘息の患者数は年々増加しています。できるだけ早く診断をつけて、吸入薬による治療を開始すれば、症状が再発したり、本格的な喘息発作に移行することを未然に防止できます。
かぜに続発して起こることが多く、かぜをひいたあとに2~3週間以上、咳が続くことがあれば、この病気の可能性があります。かぜの他にも、花粉症や成人百日咳をきっかけに発症することがあります。
また、咳喘息とよく似た病気として、花粉症の咳、があります。花粉が飛散し始める初期や、花粉の飛散量が少ない時期に、鼻炎の症状が出ていないにもかかわらず、夕方から寝る前に咳が数週間続くことがあり、花粉症の人の1/3が、咳だけの症状を経験しているといいます。花粉症と言っても、春のスギやヒノキだけでなく、夏にかけてのイネ科や、年中起こりうるダニによる鼻炎など、最近は様々な原因で起こるようになっています。
咳喘息や花粉症の咳の診断には、呼気ガス一酸化窒素測定(FENO測定)が最も有用です。さらに、レントゲンやCTに異常が無いことを確かめたあと、肺機能検査やアレルギーの血液検査を追加したり、喘息治療薬や花粉症治療薬を試してその効果を確認すること、などを行います。
長引く咳の原因には、ほかにも、逆流性食道炎によるものも増えています。胃酸が逆流して食道の粘膜が荒れ、神経反射で咳が出るようになるといいます。胃酸を抑える薬をしばらく続けると良くなる場合が多いです。
ほかにも長引く咳の原因には様々な疾患があり、早期発見が重要な疾患も多く見られます。詳しく診てもらうことをおすすめします。

Airway Medicine 〜上気道と下気道アレルギーの同時治療

 

◇ 上気道と下気道 という言葉をご存じでしょうか? 
 
 上気道とは、鼻腔、副鼻腔、咽頭、喉頭のことで、鼻から声帯までを指し、下気道とは、声帯以下の、気管、気管支、細気管支、肺胞のことを指します。上気道のアレルギー性疾患であるアレルギー性鼻炎(花粉症を含む)と、下気道のアレルギー性疾患である気管支喘息には密接な関係があることが最近判明しており、この理論を One Airway, One Disease(一つの気道の同じ病気)と呼びます。実際、花粉症の季節にやや遅れて喘息を発症したり、花粉症の時期に喘息が悪化したり、あるいは逆に、アレルギー性鼻炎をきちんと治療すれば喘息が軽くなる、などの現象がよく見られます。

◇ 重症の喘息の約半数に好酸球性副鼻腔炎が合併!

 さらに、鼻腔の周囲の頭蓋骨の中には、副鼻腔という広い空間があって、鼻腔と繋がっています。声を響かせるための空間だと言われていますが、本当の機能はまだよくわかっていません。この副鼻腔の粘膜にアレルギー性の慢性炎症である、好酸球性副鼻腔炎が起こることが最近増加しており、症状としては、鼻汁、鼻閉の他に、鼻茸を伴ったり、嗅覚の低下が見られることが特徴であり、気管支喘息を合併することが多いとされています。副鼻腔炎といえば、昔よく子供に見られた、いわゆる蓄膿症は好中球性副鼻腔炎でしたが、最近では、この、アレルギー性の好酸球性副鼻腔炎が大部分を占めるようになってきました。最新の医学的知見では、好酸球性副鼻腔炎が、重症の喘息の約半数に合併しており、喘息の難治化の大きな原因の一つになっています。

◇ 鼻から気管支・肺までを同時に治療するAirway Medicine

 したがって、喘息と診断した場合は、必ず副鼻腔CTを撮影して、好酸球性副鼻腔炎の合併の有無を同時に見ることが重要であり、治療においても、喘息だけでなく、副鼻腔炎の治療を同時に行うことが必要とされます。治療法には、微粒子吸入ステロイドを口から吸って鼻から吐く方法(経鼻呼出法)が、最も手軽な最新の治療として注目されており、他にも、内視鏡的手術(ESS)を行ったり、生物学的製剤の注射を使う方法もあります。
 
花粉症や副鼻腔炎は耳鼻科に通い、気管支喘息は呼吸器科に通う、という時代は去り、鼻から気管支・肺までのアレルギーを同時に治療する、Airway Medicine(気道内科)という診療科を創設していく努力が、医師の側にも求められていると言えましょう。

呼吸器内科 外来担当医表

土(第2.4週)
午前
地下3診
第1.3.5:京大医師
10:00~
安場
(呼吸器・アレルギー)
午後
地下3診
第1.2.4:中江第1.3.5:京大医師
安場
13:30~
(呼吸器・アレルギー)
受付された方は、必ず受付終了時間までに、診療科待合でお待ちください。

医師紹介

呼吸器内科顧問(非常勤)
安場 広高
(やすば ひろたか)

京都大学 昭和58年卒

専門領域

呼吸器内科全般、喘息、副鼻腔炎、花粉症、蕁麻疹

専門医・認定医等

京都大学医学博士

日本内科学会認定 認定内科医

日本呼吸器学会認定 呼吸器専門医・指導医

日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医・指導医

日本喘息学会認定 喘息専門医

日本アレルギー協会 患者相談協力専門医

日本睡眠学会会員

Airway Medicine研究会代表世話人

所属学会

日本内科学会 日本呼吸器学会 日本アレルギー学会 日本睡眠学会 日本喘息学会

呼吸器内科医師(非常勤)
中江 龍仁
(なかえ たつひと)

兵庫医大 昭和63年卒

専門医・認定医等

日本内科学会認定 総合内科専門医

日本呼吸器学会認定 呼吸器専門医・指導医

日本医師会認定 産業医

日本喘息学会認定 喘息専門医

所属学会

日本内科学会 日本呼吸器学会 日本喘息学会

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