平成27年度 研修医(地域医療研修)
研修期間:H27.6

地域医療研修を終えて

約1ヶ月間、丹後中央病院消化器内科にて地域医療研修をさせていただきました。丹後中央病院は民家の中に田んぼが広がるのどかな環境の中にあり、院内はとてもきれいで、スタッフ同士ですれ違うときは必ず挨拶をする気持ちの良いところでした。消化器内科では、内視鏡検査・処置を中心に、外来での初診患者の問診・鑑別診断の検討や入院患者の管理を経験させていただきました。

内視鏡では、検診からERCPまでたくさんの症例をみさせていただきました。消化器内科をローテートするのは学生実習以来でありましたが、内視鏡が消化器疾患の診療において不可欠なものであることを改めて感じました。大学病院などでは、消化器疾患の診療は上部/下部消化管、肝胆膵とスタッフが細分化されておりますが、丹後中央病院ではすべてひとりの先生が対応しており、幅広く診療にあたることを求められると感じました。

入院患者の管理では、まず紙カルテでの診療がはじめてで最初は戸惑いました。電子カルテのように院内のどこからでも患者の状態が把握できるわけではないため、看護師と電話でやりとりをすることも多く、看護師とのコミュニケーションの重要性を感じました。実際に、医師と看護師はお互いの考えをよく理解した上で、連携・協力しながら管理を行っているように感じました。内科の常勤医が少なく、消化器内科であっても呼吸器内科、循環器内科、内分泌科など他科疾患で入院の患者管理も行わなくてはならない現実も知りました。また、今回担当させていただいた患者さんの中には、ICU管理が必要なレベルの重症の方がおられましたが、限られた医療資源、スタッフの状況下では、さまざまな工夫とスタッフ間の連携・協力が不可欠であることを実感しました。

入院患者さんについても同様で、地域柄、高齢者が多いということもあり、単一の疾患だけではない様々な疾患を抱えた患者さんに対して治療を行う必要があるということが印象的で、カメラや外来対応で医師が忙しい中しっかりと病棟管理をしているナースの方々など、限られた人材で非常に有効に対応しているように感じました。

また、全体的に医師・看護師など医療スタッフと患者さんとその家族との距離が近いように感じました。京丹後地方の独特の方言での会話に、親しみとやさしさを感じました。

今回の研修期間中には積極的に内視鏡操作や気管挿管、胸腹水穿刺といった手技の機会を与えていただき、とても貴重な経験となりました。今まで内科にはあまり興味をもてませんでしたが、薬剤の調整によって患者の状態がよくなっていくさまや、外科的手術をすることなく癌の治療を内視鏡的に治療できる症例を多くみさせていただくなかで、内科のおもしろさを感じました。また、日常業務のお忙しい中、どの科に進んでも必要な知識を教えていただき、とても勉強になりました。大学病院を離れて、地域の病院で研修することにより今までの研修医生活を見直すことができたように思います。1カ月間、M田先生をはじめ、楠本先生、関係スタッフの方々に大変お世話になりました。ありがとうございました。