平成27年度 医学部5回生(臨床実習)
研修期間:H27.11

丹後中央病院での研修を通して

 病院実習の一貫として丹後中央病院消化器内科で実習を行いました。実習では消化器内科部長であり、消化器内科ただ一人の常勤医師として働いていらっしゃるM田先生の病院でのお仕事に付いて回る形で、内視鏡検査や内視鏡的処置、外来見学、救急への対応、病棟業務等本当に盛りだくさんで大変有意義で楽しい実習を行うことが出来ました。

 最も長い時間見学させていただいた内視鏡については、月・火・木・金曜日に、午前に胃カメラ、午後に大腸カメラの検査を基本的に行いつつ、必要に応じてポリペクトミーやEMRを行っていました。木曜日や金曜日には難易度の高い手技であるESDやERCP、ESTを行っていました。決して規模の大きい病院でもなく、医師や看護師の数も僕達が普段実習に行っている大学病院や都会の病院に比べ圧倒的に少ないという厳しい環境にありながら、都会の病院と変わらない高いレベルの医療を実現していることに驚きました。M田先生の研究熱心な姿勢や、看護師さんやクラークさんたちがM田先生が内視鏡に集中できるようその他の業務を献身的に行っていることによるのかな、と感じました。また、内視鏡室の看護師さんやクラークさんは、大変仲がよく医師コメディカル間の壁を一切感じさせない雰囲気を作りながら、仕事はめちゃくちゃできるという理想的な人達でした。実習中では、M田先生に内視鏡所見の見方について事細かに教えていただき、また圧倒的な実施件数の多さで数も経験できました。もちろんカメラを扱うことはできませんが、カメラさえ扱えられれば少なくとも胃については、少しは診断できるようになったのではないかと思っています。

 外来は主に水曜日に行っていました。朝から京丹後市のみならず、M田先生を頼って遠くからも患者さんが訪れていてものすごい数の患者さんがいました。午前外来が午後3時まで行われているという盛況ぶりでした。アメリカ人の患者さんや、胆嚢炎だけど蟹漁が解禁されるから入院は避けて欲しいとおっしゃる患者さんなど、この地域ならではの患者さんにも接することが出来て面白かったです。

 小さな病院でスタッフの数が少ないこともあり、内科の先生であるM田先生も週に2回ほど担当されていた救急外来では、大学病院では普段見ないような、終末期の患者さんも見ることが出来ました。また、内視鏡も病棟業務も救急もこなさないといけないため、先生が検査の指示を出し、その結果から判断して追加の検査や処置をする、などといったコメディカルの人との素晴らしい連携も見ることが出来ました。

 一日の最後に先生について病棟に行って見学させてもらっていた病棟業務ではまた、看護師さんの凄い働きぶりに驚かされました。M田先生一人で30人程の入院患者さんを担当しているため、看護師さんが適切に判断し、また時に先生に指示を聞いたりしてM田先生を支えつつ病棟を維持しているのが印象的でした。また、大学病院ではなかなかありえない、消化器の疾患だけでなく呼吸器疾患の患者さんも入院していたりしているのを見て、救急含め総合内科的な仕事もされているM田先生は改めて凄いなと感じました。また、普段なかなか見ることの出来ない、終末期の患者さんも入院しており、終末期医療、患者家族への告知、そして死に直面する患者さんや家族の様子も見ることが出来、大変勉強になりました。

 この2週間を振り返ってみると、普段実習することが多い、大学病院など大きな病院ではなく、地域医療を担う丹後中央病院での研修を通して地域医療というものも見ることが出来、大変良い経験になりました。また、M田先生から色々と話を伺うことで、将来このような地域の中心病院で働くのも良いなと感じています。

 最後になりましたが、大変お世話になったM田先生、看護師さんやクラークさん、事務員さんをはじめとした丹後中央病院のみなさまありがとうございました。研修医2年次の地域医療期間などもしも機会があって来られるならまたお世話になりたいです。本当にありがとうございました。