平成27年度 研修医(地域医療研修)
研修期間:H28.1

丹後中央病院 消化器内科研修の感想

 丹後中央病院での地域研修生活の前半2週間を消化器内科にてお世話になりました。

 1月上旬からの研修であり峰山駅に到着した時空気は非常に冷えきっておりましたが、静かな旧市街を歩きながら久しぶりにのどかな地域へ来たものだと感じました。翌日病院に到着すると最近建て替えられたとのことで内装もきれいで最新の設備も整っており、落ち着いた環境で研修を始めることとなりました。丹後中央病院は病院全体として患者さんの数に対して医師の数は少ない状況ではありましたが、看護師さんや医師事務補助さんが自主的に仕事を行い忙しい業務を乗り切っていました。研修初日から病院スタッフ同士が積極的に挨拶を交わしている光景をよく見かけ、消化器内科のみならず病院全体の雰囲気として明るく温かみを感じました。

 消化器内科の研修では内視鏡室、外来、病棟と多くの経験をさせて頂きました。消化器内科の常勤医はM田先生のお一人だけであり、内科全体の医師数も少ない中で消化器内科に限らず多彩な症状を持つ患者さんと向き合っている姿が印象的でした。内視鏡では上部・下部からESDやERCPといった専門的手技まで見学させていただき、上部内視鏡については実際にご指導頂きました。周囲に大病院がないことから非常に多くの患者さんが来院されておりましたが、M田先生は「楽な胃カメラ」、「痛くない大腸カメラ」を実践されており手技の工夫だけでなく麻酔薬や声掛けなど多くのことに気を配って検査を行っていました。外来においては高齢者が多いのはもちろんのこと、また寒い地域のせいか多量の飲酒をされている患者さんが多い印象でした。身体面で多くの問題を抱えている方も多数来院され、M田先生の丁寧な診察を見学させて頂きました。また初診患者さんについては自ら問診をとり、その後の検査、治療方針まで確認させて頂いて大変勉強になりました。

 M田先生は内視鏡や外来と並行して救急車や病棟へも対応しておられ忙しい日々を送っておられましたが、その中でやはりスタッフの協力が重要で、各々のやるべきことが円滑に行われていました。特に病棟においては看護師さんのアセスメントが大きく治療に関わっており、M田先生指導のもと看護師さんが十分にパフォーマンスを発揮しており働きやすい職場であると感じました。

 M田先生からは多くのことをご指導頂きましたが、やはり丹後中央病院のような地域基幹病院へ一人で赴任することでのやりがいや難しさを伺うことができたことは今後のキャリアプランを考えるうえで非常に参考になりました。一人で診療科を背負っていくことは教育の面を考えると限定される部分がありますが、科の運営の他、院内の他部門、院外の他施設との折衝など地域の医療に対して自らの責任が大きく、その点において大きく成長できるチャンスでもあると感じました。

 吹雪にも見舞われ寒い時期に研修となりましたが、M田先生をはじめ病院スタッフの皆様に温かく迎えて頂きまして大変楽しく有意義な研修となりました。短い間ではありましたが誠にありがとうございました。