平成29年度 研修医(地域医療研修)
研修期間:H29.05

丹後地域医療研修を終えて

 私は地域医療研修として丹後中央病院で約2週間消化器内科にてM田医師の元、研修させていただきました。京丹後市の医療を担っている病院であることは研修する前より把握していたつもりでしたが、実際に病院へ赴くと驚くことも多かったように思います。やはり地域医療の中核なだけはあり、CT・MRIも設置されていて、市内の病院と遜色のない医療が提供されていました。施設も刷新され綺麗であることも言うに及びません。私がローテートさせていただいた消化器内科でもM田医師によりGIE(上部消化管内視鏡検査)・CF(下部消化管内視鏡検査)・ERCPなど検査・治療は多岐に渡って行われております。検査の量もさることながら、20人以上の入院患者を担当され、さらに救急外来も週に半分以上は担当されているとのことだったので、M田医師のバイタリティーには驚きを禁じえませんでした。またM田医師の外来では、1日あたり約80人以上の患者が診察されているのを目の当たりにした時には言葉が出ませんでした。都市圏だけではなく地域にも医療を求める患者はたくさんいます。都市圏においては医療施設が多数存在するため、各施設へ患者が分散しているのに対して、京丹後市のような地域においては広域の患者が数えるほどしかない施設に集中しているのが現状です。しかしそれでいて勤務している医師の人数は決して多くはなく、必然的に一人の医師が担当する患者数が都会とは比較にならないほど多くなっています。ある種これこそが日本の医療の問題ではないかと考えさせられました。

 以前から私が個人的に考えていたことになりますが、医師である限り一度は皆地域医療に従事する必要があります。居住している場所に関わらず、現在高齢者となった方々に共通することは、戦後の日本を現在の豊かな日本へと様々な形で貢献した立役者であるということです。その方々に対して医療を提供し恩を返すのは、現代を生きるものにとって至極当然なことのように思えてなりません。確かに都会に住めば、様々な点で利便性に富んでおり、いろんな場所へのアクセスを容易にしていることは自明でしょう。しかし地域にも長所はあります。丹後という土地に限ったことになるかもしれませんが、一見すると山々に囲まれているようであるにも関わらず、10分ほど車を走らせば海岸に着き日本海を一望することが可能です。私は休日を利用し、観光地という観光地を巡り、海に行って釣りをし、夜は満天の星空を眺め、美味な食事をいただきました。その際には都会の喧騒を完全に忘れることができ、この上なく心が癒され洗われたように思います。地域医療を行うにあたって短所もあるかもしれませんが、それ以上に魅力的な部分が沢山あるということを知った2週間でもあったと思います。

 私は医師としてまだまだ未熟であり、これから専門を決めて進んで行くことにはなりますが、専門を決めてもM田医師のように専門分野以外も対応出来る医師になりたいと今回の研修を通じて強く思いました。これからも医療の道を邁進していきたい所存です。たったの2週間でしたが、M田医師を始めとするスタッフの方々には大変お世話になりました。研修を受け入れていただき誠にありがとうございました。また何かの折にご指導のほどよろしくお願い申し上げます。