2019年度 地域医療研修の感想
研修期間:2019.09

 今回、京都桂病院の初期研修のプログラムの一環の地域実習として丹後中央病院で2週間研修させていただきました。丹後地域は美しい海と豊かな自然に囲まれながらもとても住みやすい環境でした。
 研修では主に病棟業務と検査見学、外来・夜診見学、救急を経験させていただきました。研修させていただいた消化器内科では毎日非常に沢山の患者様の対応が迫られる中で濱田先生をはじめ、病棟、内視鏡室、外来の看護師さんやスタッフの方々が患者様一人一人に対してとても丁寧な治療とケアを提供されていました。正直なところ私自身の地域医療の医療は専門性の高い大学や都心部の市中病院と比較して施行できる検査や治療に限界がある印象をもっていました。しかしながら例えば食欲がなくなった、なんとなくしんどいというように、地域の高齢化が進み、病気そのものや症状、訴えが多様化する中でも、可能な限り地域住民の健康上の悩みや不安をしっかりと受け止め、診察と全身全霊の精査によって患者様に寄り添いながら原因を追究されていて、そういった姿は患者様にとっては直接的なものであり、地域の人々にとって不可欠なものであると感じました。また丹後中央病院は丹後地域にとって非常に根強いものであり、健診や生活習慣病の是正、コントロールを行いながら何世代に渡って患者様を見守り、予防や病気の早期発見に努められていることも外来を見学して大切なことであると思いました。さらに検査や治療だけでなく医療スタッフが患者様のADLや家族背景を認知して共有し、たとえ病気自体がコントロールされていても本当に退院後もその人が安心してその地域で暮らせるか、環境調整、フォローされているのも非常に印象的でした。
 短い間でしたが丹後中央病院での研修の中で濱田先生の患者様への姿勢を目にし、改めて患者様にとって理想の医師像とは何かを再考致しましたし、毎日忙しい業務の中で積極的にご指導いただいた事に感謝申し上げます。私は1年半京都桂病院で研修してきましたがこれまで経験してきたものとはまた別に自らの将来の医師像の礎となるようなかけがいのない経験となりました。また研修以外にも丹後地域の美味しい海産物を食したりお酒を飲んだり、釣りに連れていっていただいたり非常に充実していました。2週間という短い期間でしたが濱田先生、柏原先生をはじめ丹後中央病院のスタッフのみなさま、大変お世話になりました。