2019年度 地域医療研修の感想
研修期間:2019.11

 丹後中央病院での地域研修は、都心の病院で働く私にとって、日頃見ることのできない臨床現場を見ることができ、有意義なものとなりました。消化器内科を中心とし、救急診療や外科の手術にて研修をさせていただいたところ、やはり地域の病因ではマンパワー不足という現実はしっかりあること、地域で働くうえでは、患者に関することを広い範囲で把握しながら、コメディカルの力を適宜借りなければならないと実感しました。またその地域で来る病院はひとつしかないことから様々な患者が受診するため、患者自身も来る病院は一つしかなく、都市部であるいわゆるドクターを品定めするということもありません。患者の家庭環境は、さまざまであり高齢の方を世話している方は同じく高齢であり、ただ退院というだけでは患者の生活が成り立たず、家庭環境にも配慮して方針を決定しなければならないことも都心の病院では、あまり経験できないことでした。その地域で暮らす人たちにとって、最善の医療を行わなければならないという責任を強く感じました。
 また私は、研修医という立場であり、上級医の先生方に伺うさい、上級医の先生方は己が今まで培ってきた知識で様々な患者を診療しており、その能力の高さにも驚きました。私がこれまで、見てきた先生の中でここまでオールマイティーな先生は見たことがないと思います。内視鏡に加え、ERCP、感染症に関する知識、常用薬に対する知識、すべてを漫勉なく修めているからこそ、地域医療を成り立たせられているのだと思いました。このことは、私も見習わなければならないことであり、これから整形外科を専攻し勉強していくうえでも、一つのことを極めるのに集中しすぎないで、自分の担当患者を科を跨いで診療できるだけの知識と経験を磨いていかなければならないと感じました。このような点で丹後中央病院で一カ月という短い期間でも勉強させていただけてうれしく思います。
 さらに都会よりも地域の時間はゆっくり流れているような感じもしました。都会はものに溢れているせいか時間が焦っているように感じますが、こちらでは、日頃あまりしてこなかった、いい空気の中で自分のあり方を見直す時間を取れたように思います。その点だけでも有意義ということができたと思います。
 最後に私のような未熟な医師の勉強のために、貴重な場を提供していただいた丹後中央病院の職員の皆様とお世話していただいたM田先生、相川先生に感謝を申し上げたいと思います。私のこれからの人生においてこの一カ月は、有意義なものであったと思い返すことができると思います。
 改めてありがとうございました、これからも精進していこうと思います。