令和2年度 地域医療研修の感想
研修期間:2020.06

 私は現在京都桂病院で2年間初期研修をしております。その中で地域医療研修として丹後中央病院の消化器内科で4週間、濱田先生のもと研修させていただきました。学生の時に能登地方で地域研修をさせていただいたことはありましたが、医師になってから桂病院以外の病院で働くのは初めての経験であり、地域性や病院の規模、設備、医師数などが全く異なる環境での研修は大変有意義なものとなりました。

 実習中は上部・下部消化管内視鏡検査をはじめとして肝生検、ESD、ERCP、EUS-FNAなど多くの処置に参加させていただく機会を非常に多く頂けました。消化器内科を志す自分には先生の手技をじっくり見学させていただく良い機会となり、様々な所見を実際に見て学ぶことができました。また時には内視鏡操作をさせていただき、実際に自分で動かしてみることで内視鏡の難しさを知ると同時に、その後の見学においてもより理解が深まるのを実感しました。私の実習期間中には、桂病院の先輩が専攻医として研修に来ておりました。濱田先生ご指導のもと、専攻医の先生が上部・下部消化管内視鏡検査をはじめ、多くの手技をされている様子を見ることができ、自分も来年からは消化器内科専攻医として数多くの手技を習得していきたいと、意欲が湧いてきました。
 毎週水曜日には初診を含めた外来見学をさせていただきました。これまではあまり外来を見学する機会がなかったためとてもいい経験になりました。下痢、便秘、腹痛などの消化器症状で来院する人のうち、上部・下部消化管内視鏡検査で器質的疾患の診断がはっきりする人の割合はそれほど多くなく、機能的疾患で苦しんでいる人の割合が多いことを知りました。カメラで検査、治療するだけでなく、そういった方々の症状を軽減してあげるのも消化器内科医の大事な仕事だと濱田先生に教えていただきました。そのためには幅広く、詳しい薬剤の知識が必要であり同効薬の特徴や長所、短所を正確に把握し、その人にあった薬の種類や飲み方を選択することが求められると実感しました。また私が普段よく内服薬を処方する救急外来や病棟より処方の期間が長いことが多く、長期的に内服継続した時の副作用にも精通し、漫然とした処方を避けることも大切だと感じました。
 また、私は漢方薬に興味がありますが、漢方の概念がとっつきにくいこともあり、まだあまり勉強できていませんでした。濱田先生が患者さんの状態に合わせて多種類の漢方薬を使い分けるのを見学させていただき非常に勉強になるとともに、漢方薬の学習に対するモチベーションが上がるのを実感しました。  

 昨年度までは桂病院からの研修は2週間でしたが、今年度から4週間になったこともあり、病棟業務にも携わらせていただきました。私は桂病院で消化器内科をローテートさせていただいたのが約1年前であり、そのころとはまた違った目線で病態や治療を考えることができ、これまで救急外来で初診をしてきた消化器疾患のその後の経過を確認することができました。その中でも急性膵炎に関しては、詳しく勉強し勉強会の場で発表させていただくことで理解が深まり、今後は自信をもって治療にあたることができると思えるようになりました。  
 最後になりましたが、濱田先生、徳林先生をはじめとする先生方、内視鏡・病棟看護師、クラーク、スタッフの皆様には大変感謝しております。一か月で学ばせていただいた多くのことを活かし、これからも医療に邁進していきたい所存です。本当にありがとうございました。