トピックス

2014-08-21  呼吸器内科より Airway Medicine 〜上気道アレルギーと下気道アレルギーの同時治療〜

上気道と下気道という言葉をご存知でしょうか?

上気道とは、鼻腔、副鼻腔、咽頭、喉頭のことで、鼻から声帯までを指し、下気道とは、声帯以下の、気管、気管支、細気管支、肺胞のことを指します。上気道のアレルギー性疾患であるアレルギー性鼻炎(花粉症を含む)と、下気道のアレルギー性疾患である気管支喘息には密接な関係があることが最近判明しており、この理論を One Airway, One Disease(一つの気道の同じ病気)と呼びます。実際、花粉症の季節にやや遅れて喘息を発症したり、花粉症の時期に喘息が悪化したり、あるいは逆に、アレルギー性鼻炎をきちんと治療すれば喘息が軽くなる、などの現象がよく見られます。

重症の喘息の約半数に好酸球性副鼻腔炎が合併!

さらに、鼻腔の周囲の頭蓋骨の中には、副鼻腔という広い空間があって、鼻腔と繋がっています。声を響かせるための空間だと言われていますが、本当の機能はまだよくわかっていません。この副鼻腔の粘膜にアレルギー性の慢性炎症である、好酸球性副鼻腔炎が起こることが最近増加しており、症状としては、鼻汁、鼻閉の他に、鼻茸を伴ったり、嗅覚の低下が診られることが特徴であり、気管支喘息を合併することが多いとされています。副鼻腔炎といえば、昔よく子供に見られた、いわゆる蓄膿症は好中球性副鼻腔炎でしたが、最近では、この、アレルギー性の好酸球性副鼻腔炎が大部分を占めるようになってきました。

最新の医学的知見では、好酸球性副鼻腔炎が、重症の喘息の約半数に合併しており、喘息の難治化の大きな原因の一つになっています。

鼻から気管支・肺までを同時に治療する Airway Medicine

したがって、喘息と診断した場合は、必ず副鼻腔CTを撮影して、好酸球性副鼻腔炎の合併の有無を同時に見ることが重要であり、治療においても、喘息だけでなく、副鼻腔炎の治療を同時に行うことが必要とされます。治療法には、微粒子吸入ステロイドを口から吸って鼻から吐く方法が最新の治療として注目されており、他にも、ロイコトリエン拮抗剤の内服や抗IgE抗体の注射を使う方法もあります。

鼻から気管支・肺までのアレルギーを同時に治療する、Airway Medicine(気道内科)という診療科を創設していく努力が、医師の側にも求められていると言えましょう。




〒627-8555
京都府京丹後市峰山町杉谷158番地の1
TEL:0772-62-0791(代表)
FAX:0772-62-5897

お問い合わせ交通アクセスサイトマップ

受付・診察時間

午前診療受付時間 7:30−11:30
診察時間 9:00−
※土曜日受付11:00まで
午後診療受付時間 7:30−14:30
診察時間 13:00−
夜間診療受付時間 16:00−18:15
診察時間 17:00−
休診日第1.3.5土曜・日曜・祝日
受付をされた方は、必ず受付終了時間までに各診療科待合でお待ちください。診療科により受付・診察時間が異なります。詳しくは病院受付までご確認ください。

Copyright©Tango Central Hospital All rights reserved.