呼吸器内科より
呼吸器内科では、呼吸器疾患並びにアレルギー疾患全般の診療を専門とし、専門医が診断・治療を担当しています。
「レントゲンの異常を指摘された」「かぜでもないのに咳や痰が長引く」「息切れが最近強くなってきた」などお気軽にご相談ください。
外来担当医表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土(第2.4週) | |
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午前 地下3診 |
12月14日 12月28日 京大医師 10:00〜 |
安場 (呼吸器・アレルギー) |
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午後 地下3診 |
第1.2.4 中江 |
12月14日 12月28日 京大医師 |
安場 13:30〜 (呼吸器・アレルギー) |
受付された方は、必ず受付終了時間までに、診療科待合でお待ちください。
スタッフ紹介
呼吸器内科顧問(非常勤)
安場 広高 やすば ひろたか
京都大学 昭和58年卒
■専門領域
呼吸器内科全般、喘息、副鼻腔炎、花粉症、蕁麻疹
■専門医・認定医等
日本内科学会認定 総合内科専門医・研修指導医
日本呼吸器学会認定 呼吸器専門医・指導医
日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医・指導医
日本呼吸器内視鏡学会認定 気管支鏡専門医・指導医
日本アレルギー協会 患者相談協力専門医
日本結核病学会評議員
日本睡眠学会会員
日本臨床腫瘍学会会員
Airway Medicine研究会代表世話人
■所属学会
日本内科学会 日本呼吸器学会 日本アレルギー学会
日本呼吸内視鏡学会 日本結核病学会 日本睡眠学会 日本臨床腫瘍学会
呼吸器内科医師(非常勤)
中江 龍仁 なかえ たつひと
兵庫医大 昭和63年卒
■専門医・認定医等
日本内科学会認定 総合内科専門医
日本呼吸器学会認定 呼吸器専門医・指導医
日本医師会認定 産業医
■所属学会
日本内科学会 日本呼吸器学会
長引く咳の診断に 〜呼気NO(一酸化窒素)測定装置〜

3週間以上続くしつこい咳(遷延性咳嗽)の原因で最も多いのが、咳喘息や軽症喘息です。肺機能やレントゲンの検査、アレルギーや感染症の血液検査、副鼻腔CTなどとあわせて、呼気中のNO(一酸化窒素)を測定することにより、喘息の正確な診断と治療がスピーディーに行えるようになりました。
喘息の気道炎症により、呼気中に含まれるNOが上昇することが知られていましたが、本装置により、正確にかつ簡単に呼気NOを測定できるようになり、日本でもようやく健康保険が適用されました。当院でもいち早くこの検査法を取り入れています。
方法は、肺機能検査のように、大きな呼吸をしながら、呼気を10秒間吹き込むだけですので、人体への害はまったくありません。

Airway Medicine 〜上気道アレルギーと下気道アレルギーの同時治療〜
上気道と下気道という言葉をご存知でしょうか?
上気道とは、鼻腔、副鼻腔、咽頭、喉頭のことで、鼻から声帯までを指し、下気道とは、声帯以下の、気管、気管支、細気管支、肺胞のことを指します。上気道のアレルギー性疾患であるアレルギー性鼻炎(花粉症を含む)と、下気道のアレルギー性疾患である気管支喘息には密接な関係があることが最近判明しており、この理論を One Airway, One Disease(一つの気道の同じ病気)と呼びます。実際、花粉症の季節にやや遅れて喘息を発症したり、花粉症の時期に喘息が悪化したり、あるいは逆に、アレルギー性鼻炎をきちんと治療すれば喘息が軽くなる、などの現象がよく見られます。
重症の喘息の約半数に好酸球性副鼻腔炎が合併!
さらに、鼻腔の周囲の頭蓋骨の中には、副鼻腔という広い空間があって、鼻腔と繋がっています。声を響かせるための空間だと言われていますが、本当の機能はまだよくわかっていません。この副鼻腔の粘膜にアレルギー性の慢性炎症である、好酸球性副鼻腔炎が起こることが最近増加しており、症状としては、鼻汁、鼻閉の他に、鼻茸を伴ったり、嗅覚の低下が診られることが特徴であり、気管支喘息を合併することが多いとされています。副鼻腔炎といえば、昔よく子供に見られた、いわゆる蓄膿症は好中球性副鼻腔炎でしたが、最近では、この、アレルギー性の好酸球性副鼻腔炎が大部分を占めるようになってきました。
最新の医学的知見では、好酸球性副鼻腔炎が、重症の喘息の約半数に合併しており、喘息の難治化の大きな原因の一つになっています。
鼻から気管支・肺までを同時に治療する Airway Medicine
したがって、喘息と診断した場合は、必ず副鼻腔CTを撮影して、好酸球性副鼻腔炎の合併の有無を同時に見ることが重要であり、治療においても、喘息だけでなく、副鼻腔炎の治療を同時に行うことが必要とされます。治療法には、微粒子吸入ステロイドを口から吸って鼻から吐く方法が最新の治療として注目されており、他にも、ロイコトリエン拮抗剤の内服や抗IgE抗体の注射を使う方法もあります。
鼻から気管支・肺までのアレルギーを同時に治療する、Airway Medicine(気道内科)という診療科を創設していく努力が、医師の側にも求められていると言えましょう。